省略により意味が逆転した英語の慣用句4選
秋になって涼しくなると、街を歩きながらふと「言葉って面白いな」と考えたくなることがあります。
抽象的な内容や複雑な状況を簡潔に表現できる慣用句は、第二言語学習において特に難しい要素の一つです。
それぞれの言語における慣用句は、その文化的・歴史的背景から生まれており、日常生活ではあまり使われない語彙や古風な言い回しを含むことも多いため、自然に使いこなすのは簡単ではありません。
しかし英語の場合、慣用句の使い方を誤るのは学習者だけではありません。ネイティブでさえ、日常的に本来とは正反対の意味で慣用句を使っていることがよくあります。
今回は、省略によって意味が逆転した英語の慣用句4選を紹介したいと思います。
- 現代の表現:Blood is thicker than water
現代の意味:家族との絆が友人との絆より強い
本来の表現:“The blood of the covenant is thicker than the water of the womb.”
本来の意味:友人との繋がりが家族との繋がりより強い
本来の表現では、blood of the covenantは聖書に出てくる儀式に由来し、自ら選び取った忠誠や信義の絆を象徴する言葉で、water of the wombは羊水の意味をし、家族の絆を意味する言葉になります。ですが、Blood is thicker than waterの形へ省略することによって、bloodが家族を指すように勘違いされることになり、意味が逆転しました。
- 現代の表現:Curiosity killed the cat
現代の意味:過剰な好奇心は災いのもと
本来の表現:Curiosity killed the cat but satisfaction brought him back
本来の意味:好奇心は時に危険を招くが、真実を知ることで得られる満足にはそれだけの価値がある
本来の表現は好奇心がリスクをもたらす可能性を認めると同時に、その好奇心によって得られる満足感のことも認める表現でしたが、省略により過剰な好奇心に対しての注意になりました。
- 現代の表現:Jack of all trades, (master of none)
現代の意味:器用貧乏
本来の表現:Jack of all trades, master of none, though oftentimes better than master of one.
本来の意味:器用貧乏であっても、ひとつのことしかできない人よりは優れていることが多い
こちらに関しては、本来の表現および現代の表現、両方とも「器用貧乏」という意味をしますが、現代ではそれを否定する表現です。それに対し、本来の意味は一つのことに特化するより、いろいろなことができる方がいいという「器用貧乏」を肯定する表現でした。
- 現代の表現:Great minds think alike
現代の意味:偉大な頭脳は同じことを考える
本来の表現:Great minds think alike, though fools seldom differ.
本来の意味:偉大な頭脳は同じことを考える、愚か者もめったに意見が食い違わない
現代の表現は意見や発想が合うことはその考えの賢明さの証になるという意味の表現ですが、本来の表現は合うことだけでは賢明と言い切れないという意味をする表現でした。
こうして、省略や文脈の変化によって意味が変わった慣用句を見てきましたが、学んだ新しい表現を使うことをためらう必要はありません。あなたの“間違い”が、もしかすると新しい意味の最初の一歩になるかもしれないのです。
















