インバウンド翻訳

近年増えているインバウンド翻訳
2025年に日本を訪れた外国人の数は42,683,600人となり、2024年の36,870,148人を580万人上回り、過去最高となりました。日本の観光庁は、2030年までに訪日外国人旅行者数6,000万人、消費額15兆円を目標に掲げています。これに伴い、翻訳会社パラジャパンでは、お客様からのインバウンド系翻訳のご依頼が近年、急速に増えてきています。
文化、歴史などへの配慮
インバウンドの翻訳依頼をいただいた場合、私たちが特に注意している点は、各国の文化、歴史、宗教などへの配慮です。翻訳会社パラジャパンでは、2000年創立以来、多くのインバウンド媒体の多言語化を承ってきました。多言語化といえども、単に翻訳するのみではありません。もともと日本人観光客用に作られた日本語の文章をそのまま他の言語に訳していては、外国人観光客への配慮が足りなくなる場合があります。
明治時代といわれても日本人にはおおよそいつ頃かはわかりますが、外国人旅行者にはほとんどわかりません。日本語が元号(和暦)表記であれば、西暦表記(昭和47年はShowa 47ではなく、1972)にしたりします。広さを表現するのに「東京ドーム何個分」では、伝わりません。
イスラム圏の方々には、ハラル料理の店や、ハラル認証の有無の表示、モスクなどお祈りできる場所をあえて強調して作成したりします。(ちなみにモスクは日本中に80か所ほどあるそうです。)

表現への配慮
日本固有の文化の説明も必要です。おでん屋さんで、私たちは「はんぺん」で通じますが「Hanpen」だけでは外国の人は何のことかわかりません。英語であれば “fluffy steamed white fish cake (absorbs broth)”、スペイン語であれば “pastel de pescado blanco esponjoso (absorb eel cardo)”などの短い説明が必要となります。
因みに訪日外国人利用者の日本語の認知度は、下記の通りです。
Samurai 侍 13.6%
Ninja 忍者 13.1 %
Sake 酒 12.6%
Onsen 温泉 10.9%
Shogun 将軍 9.9%
Kabuki 6.9%
令和元年観光庁「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」アンケート調査より
以下は観光案内でネイティブチェックをしなかったときに起きやすい、実際によく見かける(または起こり得る)誤訳例8文を原文→誤訳→改善例→防止策、の順で短く説明します。
1. 原文:ご自由にお取りください。
誤訳:Please take it freely.
この表現だと「勝手にどうぞ」と乱暴に聞こえることがある。
改善:Please help yourself. / Please take one.
防止策:定型表現はネイティブが自然にする言い回しに置き換える。
2. 原文:撮影禁止
誤訳:Shooting prohibited.
「shooting」は銃撃や映画撮影など多義的で誤解を招きやすい。
改善:No photography. / Photography prohibited.
防止策:業界で使う英語(photography, filming)を確認する。
3. 原文:ペットのフンは持ち帰ってください。
誤訳:Please carry your pet’s excrement home.
直訳で露骨すぎて、不快感を与える表現。
改善:Please clean up after your pet.
防止策:トーンに配慮した言い換えを行う。
4. 原文:温泉はタトゥーの方は入浴できません。
誤訳:People with tattoos cannot take a bath.
直訳だと断定的で文化的配慮がない印象に。
改善:Persons with tattoos may be denied entry to the onsen. / Tattoos may be restricted.
防止策:デリケートな事項は婉曲表現にし、理由や対処(タトゥーシール可等)を添える。
5. 原文:ここでゴミを燃やさないでください。
誤訳:Do not burn garbage here.
不自然な語順や語彙。短い直訳でも英語では命令が強すぎると感じられる場合がある。
改善:Please do not dispose of garbage here. / No open burning.
防止策:命令調を避ける言い回しを検討する。
6. 原文:石鹸で体を洗ってからお入りください(温泉)
誤訳:Wash your body with soap before entering.
意味は合っているが語感が冷たく感じられることがある。
改善:Please wash thoroughly with soap before entering the bath.
防止策:マナーの説明は丁寧語で補う。
7. 原文:入口は右側です。
誤訳:Entrance is right side.
冠詞や前置詞が抜けて不自然(読み手が少し迷う)。
改善:The entrance is on the right.
防止策:短い文でもネイティブの語順・冠詞確認をする。
8. 原文:緊急時は係員にお知らせください。
誤訳:In emergency, inform staff.
命令文がぶっきらぼうに感じられる。
改善:In case of emergency, please notify a staff member.
防止策:丁寧な表現を基本にする(観光地では特に)。
誤訳を減らす実務的な方法として、パラジャパンでは下記のようなことに取り組んでいます。
– ネイティブチェック(必須)。文脈・トーン・短さを確認。
– 定型表現集(スタイルガイド)の作成。
– 表示先(看板、パンフ、Web)での「見え方」の実地テスト。
パラジャパンの実績
最後に翻訳会社パラジャパンが行ったさまざまなインバウンド翻訳の例をご紹介いたします。それらの内容はさまざまであり、パラジャパンでは現在までに下記のような実績があります。
・各観光地の案内板、パンフレットやガイドブック
・各飲食店のメニューやその料理の説明
・交通機関(駅、空港)の案内表示
・観光案内所や美術館・博物館の案内板、パンフレットやガイドブック
・旅行サイトの予約システム
・旅館やホテルなどの宿泊施設や民泊のホームページ、パンフレット、規約
具体例:
香川県観光マップ、松本市まちあるきパンフ、奥入瀬観光パンフ、猪苗代湖動画テロップ、長崎市観光マップ、うどん県動画テロップ、豊島シナリオ動画、Discover Shikokuパンフレット、倉敷観光関連、高級レストランメニューおよび説明、石岡まつりパンフレット、印傳パンフレット、個展のウェブサイト、日本酒酒蔵関連パンフレット、ジオパーク紹介文書、男山資料館パンフレット、静岡歴史博物館リーフレット、白馬旅行アンケート、箱根くろたまご、箱根小涌園天悠 ホテル紹介、箱根着付体験プログラム、金峰山 周辺観光案内パンフレット、旅館用チュータリングコンテンツ(温泉旅館用)、温泉の入り方など (熊本市内温泉)、(町おこし)妖怪ベンチ探索マップ、東京スカイツリーポスターのコピー、スカイツリー内レストラン HP多言語、福岡県うきは市 宿泊施設のHP、利用案内、兵庫県のインバウンド案内資料、箱根ジオミュージアム 展示資料、東武鉄道博物館マップ、スペーシアXホームページ、東京ソラマチ案内、志賀高原スキー場パンフレット、地獄谷(スノーモンキーパーク)パンフレット、沖縄インバウンド向けアンケート、いわき市観光パンフレット、三味線イベントLP、観光ガイドマップ、展覧会のインタビュー動画、園芸博覧会のプロモーション動画、関西の古墳マップ、瀬戸内トリエンナーレ資料、三島市ケータイ用サイト、美観地区倉敷街歩きマップ


















