「あぶない」と「ちょっと」

自分は中学3年生の時から日本語を学習していて、2015年から日本に滞在しています。

専攻として日本語を勉強しに来日した自分は卒業後、日本語に関わる仕事をしたいという意思で翻訳会社パラジャパンに入社し、今に至ります。

異国に住み、自分から見た外国語である日本語で生活をすることで言語に対する様々な「気づき」があります。

 

その一つとしては、同じ意味合いを持っている単語は違う言語で使い道が変わってくることです。

来日して今まで、意味の分かる日本語に面白い場面で出くわすことが多々ありました。

今回は簡単に2つを紹介していきたいと思います。

 

ある朝、大学の友人と鎌倉で観光する予定がありましたが、駅までの途中で友人が財布を忘れていたことに気が付きました。

取りに戻って再び駅に向かって、何とか乗り遅れずに済みました。

そこで友人が一言。

「危なかった!」

危ない=dangerousと思っていた自分にとって「何が?」と思う瞬間でした。

あとから友人が教えてくれたのですが、「危ない」には怪我や事故といった肉体的な悪い事象以外にも、

精神的に嫌なことや悪いことに対して使えることを知りました。

ちなみに、今回の友人が言ってた「危なかった!」は英語で “We barely made it!” と言います。

 

次は「ちょっと」(a little)という言葉です。

自分もよく使う言葉です。

例えば、「そのレストランのラーメンがちょっと辛い」や「ちょっと待ってください」等といった

「少し」の意味で理解していました。

 

その理解を改めることになったエピソードは当時、自分がまだ学生の頃でした。

ある日、みなとみらいに遊びに行った後、お腹がすいてきましたから、夕食としてかっぱ寿司に行こうと友人を誘いました。

そうしたら、友人に「寿司はちょっと」と言われましたが、友人に断られたということ全くわからず、

寿司が何?と聞いてしまいました。

その日、初めて知ったことは友人は寿司が好きじゃないということだけではなく、

やさしい断り方として「ちょっと。。。」が使えることです。

今日紹介した「危ない」と「ちょっと」に限らず、翻訳というのはただの単語の置き換えではなく、

文化を相互理解することなんだなと今も毎日考えさせられています。