「カタカナ語」について

日本語の日常会話に頻繁に登場するカタカナ語ですが、今回は由来が英語でありながら日本語においての意味や使い方が英語と異なる5つの単語やそれぞれの自然な英語を紹介したいと思います。

1. バイキング

「ブッフェ」に近い使い方の由来は1958年、帝国ホテル内のスカンジナビア料理の食べ放題が開催された際にそのキャッチコピーが「インペリアル・バイキング」であることに由来していると言われています。

ですが、英語ネイティブとして「バイキング」を聞くと、自転車を運転する行為を指すbikingまたはスカンジナビアのヴァイキングを指すvikingにしか聞こえません。どちらもブッフェや食べ放題とは無関係であり、そのままバイキングを使ってしまうと通じない可能性が高いです。

通じやすい英語で表現する場 合はbuffet (ブッフェ、置いてある食べ物を自分で選びます) またはall-you-can-eat (食べ放題、注文形式)のどっちでも大丈夫です。

2. テンション

日本語で「盛り上がっている」や「気分が高揚」を表したい時「テンションが高い」や「ハイテンション」など言いますが、テンションの由来である英語のtensionは大幅に違う意味になります。英語のtensionを日本語にすると「緊張」、「不安」、または「緊迫した」という意味になります。日本語と英語においてのテンションの使い方が違いますので誤解をしないように気を付けないといけません。例えば、英語のTensions are high right now.は正しく「緊迫した状況です」となりますが、「テンションがいま高いです。」と誤解しやすい表現です。

「テンションが高い」を自然な英語にすると、excitedまたは hyperになることが多いです。

3. ジュース

外食する時は飲み物が水、お茶、お酒、ジュースという4つのカテゴリに分類されますが、その場合のジュースは英語に存在しない使い方です。日本語のジュースは冷たいかつ甘い飲み物の総称語ですが、英語においての意味はより限定しており果物や野菜から出来た100%汁の飲み物しか指さない言葉です。ですから、オレンジジュース、林檎ジュース、キャロットジュースなどは英語でも日本語でもジュースと呼んでも違和感はありません。

一方、コーラーやメロンソーダーなどの飲み物は英語のジュースに該当しません。

英語はジュースとソーダ―はそれぞれ全然違うものをいう言葉ですから英語で表現したい時は実際の飲み物によって「ジュース」はsodaまたはjuiceのどちらかになります。

4. ストーブ

冬や寒い時期に部屋を暖めてくれるストーブですが、テクノロジーの変化に伴って英語においての使い方が変わってきて、現代ではそれぞれ違うものを指す言葉になりました。ストーブという単語が日本語に入ってきた時代は、家を暖めるためにも、料理をするためにも、同じstoveが用いられましたが、時代が変わると、家を暖める役割は暖房が果たしてくれるようになり、stoveというものは料理にしか使われないものになってきました。一方では、日本語で家を暖める方がメインになりました。

日本語の「ストーブ」を言いたい時はheaterが一般的な言い方です。

5. エアコン
最後に紹介したいのは夏の暑さでも冬の寒さでも、一年通して使える「エアコン」です。「エアコン」という「エアコンディショナー」の略語はオーストラリア発祥の英語でアメリカやイギリスでは通じないことが多いです。また、日本語と英語の使い方も違います。日本語の場合、「エアコン」は暖房と冷房の意味どちらにもなりますので季節を問わずに使えることばであるのに対して、英語(米・英・豪)では冷房のみにしか使えない言葉です。冷房を英語で言いたい時はオーストラリアならAirconでも通じますが、アメリカやイギリスですとair conditionerまたはAC (エイ・シー)が使われています。暖房はストーブの意味もあるheaterを使いますので暖房とストーブの区別は文脈や状況で判断する必要があります。

カタカナ語は特に外国人に通じやすいと思われますが、上記のカタカナ語と英語の様なギャップも存在するので意外と通じなかったり、誤解を招いたりすることがあります。由来は英語であっても、時間が経つと日本語においての使い方や特殊な意味が生じて、本来の言葉から離れていくことがよくありますからカタカナ語は必ずしも通じやすいという訳ではありません。