「ことわざ・慣用句」について

あらゆる言語に存在することわざや慣用句。

文字通りの意味ではないため、その言語のネイティブまたは同等レベルの知識が無いと誤解を生むこともありますが、なかなか言い表せない状況や現象を伝えるときに便利な言葉です。

日本語を学習する中でもかなり苦労する部分なのですが、実は日本語と英語でほぼ同じ意味、表現のことわざ・慣用句があるのです。

今回は日本語ネイティブ、英語ネイティブどちらでも馴染みやすい、使いやすいものをいくつか紹介したいと思います。

 

  • 自分で蒔いた種は自分で刈り取る

英語では“You reap what you sow”と言い、聖書から来ています。

Reapは「刈り取る」という意味を持つ動詞で、Sowは「種を蒔く」 という意味を持つ動詞です。

英語では、次のような文章が作れます。

例文:Of course you’re exhausted in class—you stay up too late! You reap what you sow.

日本語に直すと、「夜遅くまで起きてるから授業中に眠くなるのは当然!自分が蒔いた種だよ」になります。

 

  • 一石二鳥

英語では“Kill two birds with one stone” と言い、初めて使われたのはイングランドの哲学者であったトマス・ホッブズによって書かれた『自由、必然、偶然に関する諸問題』(1656)だと言われています。

和訳の際、中国語の「一箭双雕」に倣って作られたとも言われています。

例文:I think I’ll kill two birds with one stone and stop by the electronics store to buy a charger on the way to the bank.

日本語に直すと、「銀行に行く途中に充電器を買いに電気屋さんにも寄ろう。一石二鳥だね。」になります。

 

  • 便りがないのは良い便り

英語では“No news is good news”と言い、イングランド王のジェームズ1世が1616年にNo news is better than evil newsを書き留めたとされています。

24年後の1640年に歴史家兼作家であるジェームズ・ハウエルが『日用模範書簡集』に“No news is good news”という現代でも使われている形を使いました。

例文:I haven’t heard from my mom in a few weeks, but no news is good news so I’m sure everything is fine.

日本語に直すと「数週間、母から連絡来てないけど「便りがないのは良い便り」だから元気にしているはず。」になります。

 

  • 開け胡麻

英語では“Open Sesame”と言い、アラビア語の千夜一夜物語から来ているとされています。

日本語と英語だけではなく、アラビア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、中国語等にも直訳として存在し、世界各地で使われている慣用句です。

英語でも、日本語と同様に開いてほしいものに対して“Open Sesame!”と言います。

例文:I locked myself out of my apartment and as a joke, I said “Open Sesame!” but right when I said that my roommate unlocked the door for me, so it seems like the expression actually works.

日本語に直すと「うっかり、自分で家の扉を閉めてしまい、冗談としてドアに向けて「開け胡麻!」って言ったら、まさかそのタイミングでルームメイトがドアを開けてくれた。「開け胡麻」が意外と効くみたい。」になります。

 

  • 嵐の前の静けさ

英語では“The calm before the storm”と言い、ルイス・マシンとジャーヴェス・マーカの“The Dumb Knight”(1601)という戯曲で“There is calm before the tempest”という形として使われていて、その時点から約200年かけて形が徐々に変化して、現代の“the calm before the storm”という決まり文句になってきました。

例文:Everything is fine right now, but I have a bad feeling. I feel like this is just the calm before the storm.

日本語に直すと「今は特に問題ないようだけど何か悪い予感がする。今は嵐の前の静けさのよう感じ。」になります。

 

今日紹介した表現は全て日常英会話においてよく使われていますので、今度使ってみてください。